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苔テラリウム&苔玉入門|通販で買える販売キットから作り方・育て方や苔の種類紹介



苔は癒しの植物として人気を高めつつありますが、最近の楽しみ方の主流は苔テラリウムや苔玉など室内で鑑賞するタイプのものです。これらの作り方、使う苔の種類と育て方などを解説するとともに、通販サイトで販売されているキットなどもあわせてご紹介します。


苔とはどんな植物?

最初に進化上陸した植物

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地球の誕生から長らくは、陸地には生命体は存在していませんでしたが、今から約4億5000万年前のオルドビス紀には、海藻類から進化した原始的なコケ類が、植物としてはもちろん、生命体としてはじめて上陸を果たしました。

当時の陸上の環境は、まだ大気中にメタンガスなども多く、薄暗く冷涼で湿潤でした。

このため、現在でもコケ類の多くは日陰の湿った涼しい場所を主な生息域としています。

園芸に使われる主な苔類

蘚苔類のなかでも苔類が主流

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コケ類には学術的には蘚苔類(せんたいるい)と呼ばれており、大きくは、ゼニゴケなどに代表される蘚類(せんるい)と、スギゴケなどに代表される苔類(たいるい)に分けられます。園芸に用いられるのは、見かけ上も美しい苔類になります。

スギゴケ

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こちらのスギゴケは苔庭や盆栽にも使われる園芸種としてメジャーな種類です。苔類としては珍しく直射日光と乾燥気味の感興を好みます。このため、室内栽培が前提の苔玉や苔テラリウムでは扱いにくい性質となりますが、屋外栽培の苔鉢などには扱いやすく初心者にもおすすめです。

ホソバオキナゴケ

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ホソバオキナゴケは半日陰の乾燥気味の環境を好む種類で、屋外栽培・屋内栽培ともに応用が可能です。また、苔テラリウムなどで湿潤な環境においた場合も、本来のフォルムとは違う形に生長するものの、栽培は可能です。

アラハシラガゴケ

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アラハシラガゴケは前述のホソバオキナゴケの近縁種で、より暗く湿潤な環境を好みます。このため、屋内栽培に最適な種類の一つです。逆に空気が乾燥していると葉先が茶色く枯れてしまうので注意が必要です。

タマゴケ

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タマゴケはスギゴケに近い仲間で、標高500メートル以上に分布する高山種です。半日陰の湿潤な環境を好みますので、夏の暑さ対策ができていれば屋内栽培に適した種類と言えます。

スナゴケ

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スナゴケも屋外の園芸や緑化用に多用される一般種ですが、強い直射日光を必要とするため屋外栽培の苔鉢などに限られます。屋内栽培は、メタルハライドランプなでの特殊な照明装置があれば可能です。

ヒノキゴケ

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ヒノキゴケは薄暗い湿潤な沢沿いなどに自生する大型の美麗種です。極度に乾燥を嫌うので栽培は半密閉状態で行います。苔テラリウムには最適な種類の一つと言えるでしょう。なお、平地種なので比較的高温には頑健です。

ホウオウゴケ

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ホウオウゴケは冷涼で薄暗い湿潤な沢沿いに自生するやや高山種です。ヒノキゴケ同様に半密閉の苔テラリウムに適していますが、夏場の暑さ対策が必要となります。

通販で入手栽培できる苔玉完成品

まずは育て方を覚えよう


初心者の方にまずおすすめしたいのが、こちらのような苔玉の完成品です。まずは、育て方を覚えましょう。

こちらに使われているホソバオキナゴケの苔玉が育てやすく、明るい室内に置き、常にしっとりと湿っている水加減さえ覚えれば栽培は容易です。



初心者が最も失敗せずに育てられるのが、こちらのようなハイゴケ系の苔玉です。明るい室内に置き、常に十分に湿らせておくだけで育ちます。

苔玉の作り方

キットで作ると簡単にできる



苔玉を自分で作りたい方は、まずは、こちらのようなキットがおすすめです。

芯となる乾燥ミズゴケとケト土をこねて団子状にし、ピンセットなどで丁寧に苔を植えていきます。



また、こちらの苔玉の作り方の動画を参照すれば、わかりやすいでしょう。

通販で入手できる苔テラリウムキット

まずは苔を育ててみよう

苔テラリウムに興味を持ったら、まずは、通販で販売されているビン入りの苔テラリウムを育ててみて、苔育成の基本を体験するのがおすすめです。最近は、苔テラリウムブームもあり、以下のようなキットが簡単に入手できます。



どれもこれも、可愛いですね。苔は高温と乾燥を嫌います。乾燥に関してはビン入りなので問題ありませんが、直射日光や暖房のない明るめの室内に置いてください。

苔テラリウムの作り方

100円ショップの容器でも楽しめる


こちらの写真のような苔テラリウムは、下のようなフィギュアケースを流用すると便利で見栄えもよくできます。 作り方はいたって簡単で、湿潤な環境を好む種類を並べて湿らせておくだけです。蓋をして半密閉にするので、水やりも月に一度程度で大丈夫です。

なお、空気の入れ換えのため、蓋の上部に二ヶ所、小さな穴を開けておきます。



100円ショップなどのアクリル容器を流用すると、インテリアにもぴったりなミニ苔テラリウムを作ることもできます。



また、ろ過装置つきの水槽を用いれば様々な環境を水槽内に作れますので、乾燥種~湿潤種までを一ヶ所で栽培することも可能です。

なお、苔栽培全般に言えることですが、苔類は酸性と養分を嫌います。用いる用土は赤玉土をこねたものかケト土にしてください。

本格的な苔テラリウムの作り方



最後に、本格的な苔テラリウム(幅60cm高さ30cm奥行き30cm)の作り方を、実際に作成した時の写真をまじえて解説します。



まずは、木製の台を製作します。テラリウムのカバーにはアクリルの60cm水槽をひっくり返して使用しますので、その内寸に合わせて台を作ります。

なお、木は水分を含むと膨張しますので、5mm程度の余裕をもって作るのがポイントです。



台が完成したら、苔を活着させるための流木類を配置し、ずれないように木ネジで固定します。

なお、台の下のほうには湿潤を好む種類のコケを、上のほうには乾燥を好む種類のコケを配置するとうまく育ちますので、使用するコケの配置を考えながら流木を組んでいきます。


まず、直立した流木にやや乾燥に強いタイプの這性苔を固定します。いずれ活着しますが、仮止めとしてスタッカー(壁用のステイプラー)を使うと簡単です。



貼り付けました。



次に台の下方に、湿潤を好むタイプのコケを配置します。今回はハイゴケとヒノキゴケを用いました。



流木の上には乾燥を好むタイプのコケを配置します。今回は、ホソバオキナゴケ・アラハシラガゴケ・タチゴケを使用しました。



あとは、ひっくり返したアクリル水槽をかぶせて完成です。十分な光さえあれば、週に一回程度、軽めに霧吹きをするだけで元気に育っていきます。

主な苔の育て方

最後に、苔テラリウムや苔ボトルに使われるコケやシダ(原始シダ)のご紹介をしていきます。各リンク先ではそれぞれの種類の特徴・育て方を解説していますので、どうぞご活用ください。

タマゴケ


ホソウリゴケ


スナゴケ


ハイゴケ


ホソバオキナゴケ


アラハシラガゴケ




シノブゴケ



シノブゴケの育て方

コウヤノマンネングサ



ウチワゴケの育て方

コケシノブ(シダ)


マメヅタ(シダ)


トウゲシバ(シダ)


トウゲシバの育て方

ヒカゲノカズラ(シダ)


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