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【ムカデの種類一覧と飼い方図鑑】生態的特長と飼育繁殖方法について博物館学芸員が解説



ムカデの生態について解説するとともに、20年以上、生物学学芸員として博物館施設に勤務し、昆虫が専門分野の一つである筆者が、その飼育方法についてご紹介していきます。

ムカデとはどんな生き物?


ムカデ(百足、蜈蜙、蜈蚣、蝍蛆、ムカデ類、唇脚類、学名: Chilopoda, 英語: centipede, chilopod)は、多足類に属する節足動物の分類群の一つ。分類学上はムカデ綱(唇脚綱)とされる。

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/ムカデ

ムカデの分類



ムカデには以下の目が含まれます。

ゲジ目 Scutigeromorpha
イシムカデ目 Lithobiomorpha
ナガズイシムカデ目 Craterostigmomorpha
オオムカデ目 Scolopendromorpha
ジムカデ目 Geophilomorpha

オオムカデ目の分類

一般的に飼育の対象となるのはオオムカデ目のなかでもオオムカデ科ですが、オオムカデ目には以下の科が含まれます。

メナシムカデ科 Cryptopidae
オオムカデ科 Scolopendridae
アカムカデ科 Scolopocryptopidae

オオムカデ科の主な種類

トビズムカデ Scolopendra mutilans


トビズムカデは体長8~15cmで、本州産のムカデとしては最大種です。北海道から沖縄にかけて生息しており、団地では真冬でも活動している姿が観察できます。

アオズムカデ Scolopendra japonica

アオズムカデは体長約13cmの大型のムカデで、関東以南の本州・四国・九州に分布しています。

アカズムカデ Scolopendra multidens


アカズムカデは体長7~12cmの中型の南方系ムカデで、東南アジアに分布しています。飼育用に輸入されています。

タイワンオオムカデ Scolopendra morsitans


タイワンオオムカデは体長13mm前後の大型種で、国内では沖縄に生息しており、海外では台湾から東南アジアにかけて生息しています。黄土色の体色が珍しく、飼育種としても人気があります。

ハブムカデ Scolopendra subspinipes


ハブムカデは沖縄~東南アジアにかけて分布しているアジアでも最大種の一つで、最大体長は20cmにもなります。

ペルビアンジャイアントオオムカデ Scolopendra gigantea


ペルビアンジャイアントオオムカデは中南米に分布しており、その体長は標準で20~30cm、最大記録は40cmを越える世界最大種です。

ベトナムオオムカデ Scolopendra dehaani


ベトナムオオムカデは最大体長25cmとアジア地区の最大種で、東南アジアを中心に生息しています。

エジプシャンジュエルセンチピード Scolopendra cingulata


エジプシャンジュエルセンチピードは体長10~12cmの中型のムカデで、その美しい体色から飼育種として人気が高く、流通量も多い種類です。

ムカデの基本情報

ムカデ脚は何本?


ムカデは種類によってさまざまで、少ない種では30本(15対)、多い種では80本(40対)ですが、オオムカデ科の仲間は42本(21対)が標準です。

ムカデの毒は?


ムカデの毒はヒスタミン・ポリペプチド・セロトニン・酵素の4種類から構成されており、ヒスタミンはアレルギー成分、ポリペプチドは毒を浸透させやすくする作用があり、セロトニンは神経毒、酵素は細胞を破壊するタンパク毒の一種と、ハイブリッドの毒成分を持っています。

ムカデの寿命は?


ムカデの寿命は種類にもよりますが、大型種では6~8年の寿命があると言われています。

ムカデの脱皮



ムカデは他の節足動物と同様に、成長や新陳代謝のために脱皮をします。脱皮前は餌をとらなくなる、体表に透明感がなくなるなどの兆候があります。

ムカデの飼い方

ムカデの飼育環境



ムカデは湿った場所を好みますので、飼育ケースにピートモスなどの保湿性の高い床材を敷き、隠れ家となる枝や石を設置します。また、浅い皿に水を入れておくようにします。

ムカデは基本的に南方系の生き物ですので高温を好みます。本州産の種類でも20℃以上にすれば周年で活動します。また、東南アジアや南米産の種は寒さに弱いので、冬場は飼育ケースの下にマットヒーターを敷き、温度が20度以上になるように加温します。

ムカデの餌



ムカデは捕食性ですので、基本的には生きた獲物しか食べません。もっとも簡便なのは餌コオロギを使うことですが、暖かい季節は野外で小生物を採集して与えてもよいでしょう。

ムカデの繁殖のさせ方


画像引用:http://blog.livedoor.jp/antroom/archives/51484212.html

ムカデはメス親が卵を保護することが知られています。産卵したメスは卵が孵化するまで丸まって卵を保護し、卵が孵化した後もしばらくは幼体を背中に乗せて生活します。



この動画は、飼育されているオオムカデが実際に繁殖・産卵・孵化した時のメス親による幼体の保護の様子を捉えた動画です。

奇虫飼育一覧図鑑


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