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水泳が速くなる自宅ダンベル筋トレ|股関節インナーマッスル・大腿筋群・背筋群の鍛え方

水泳の泳力を向上させるために鍛えるべき筋肉の構造・作用およびそのダンベルトレーニングの実施方法を解説します。

水泳の推進力を生む筋肉

推進力を生むためにまず必要なのが下半身の筋力ですが、一般的に互換されがちなのが膝関節の屈伸に関わる大腿部の筋肉が最重要であるとする考え方です。

実際には、それ以上に脚自体を屈伸および開閉させる股関節周辺のインナーマッスルです。

具体的には、股関節を屈曲させる腸腰筋群、股関節を伸展させる臀筋、股関節を内転させる(閉じる)内転筋群です。

そして、その次に重要となるのが膝関節屈曲作用を持つハムストリングスと膝関節伸展作用を持つ大腿四頭筋です。

上半身に目を向けると、各泳法の手を漕ぐ動作に共通して重要となるのが「腕を後ろに引く」作用のある背筋群で、なかでも腕を開いた状態で作用する広背筋が重要となります。

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股関節を屈曲させる(脚を前に上げる)筋肉

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脚自体を前に持ち上げる(屈曲させる)動作の主となる筋肉が、股関節インナーマッスルである腸腰筋群(Iliopsoas)です。

腸腰筋群は大腰筋・小腰筋・腸骨筋の三つの筋肉から構成され、股関節の屈曲(脚を上げる)作用があります。また、股関節の外旋にもわずかながら関与しています。

腸腰筋(ちょうようきん)は腰椎と大腿骨を結ぶ筋肉群の総称。腸骨筋と大腰筋が関連している。内臓と脊椎の間にあり、深部腹筋群とも総称され見えない筋肉の一つ。主に股関節を屈曲させる働きをする。

脊柱を前屈させる筋でもあるため「深腹筋」と呼ばれることもあり(とくにスポーツ選手やトレーナの間でよく用いられる)運動に非常に重要な働きをしている。

引用:Wikipedia「腸腰筋」

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腸腰筋の構造とトレーニング種目 

前述のとおり、腸腰筋群は股関節屈曲(脚を上げる)の作用があるため、走る能力が要求されるスポーツでは非常に重要なインナーマッスルです。また、日常での歩行能力にも大きく関わるので、そのトレーニングは健康作り運動としても盛んです。

具体的には、レッグレイズ系の足上げ運動種目で鍛えられます。

ダンベルレッグレイズのやり方



ダンベルレッグレイズを実施する上で大切なポイントは、腹筋がもっとも収縮する位置で息を吐ききり、さらに顎を引いて腹筋を完全収縮させることです。

また、腰への負担を避けるため、反動を使わないように気をつけることも重要です。

股関節を伸展させる(脚を後ろに上げる)筋肉

脚を後ろに上げる(股関節を伸展させる)作用を持つのが、臀筋(Gluteal muscles)です。

臀筋は、主に大臀筋・中臀筋・小臀筋の三層構造から構成されており、これに腸骨に接合する大腿筋膜張筋を加えた4つの筋肉を総称したものです。

それぞれの筋肉の持つ作用は以下のとおりです。

大臀筋:股関節伸展・股関節外旋・股関節外転・股関節内転

中臀筋:股関節外転・股関節内旋・股関節外旋

小臀筋:股関節外転・股関節内旋・股関節外旋

大腿筋膜張筋:股関節屈曲・膝関節伸展

臀筋(でんきん)とは、臀部に存在する筋肉の総称である。

構成する筋肉

大臀筋
中臀筋
小臀筋
大腿筋膜張筋

引用:Wikipedia「臀筋」

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臀筋群の構造とトレーニング種目 

臀筋のトレーニングは、主に最大の体積を持つ表層筋である大臀筋に対して実施され、股関節伸展(脚を後方に上げる)の動作をともなうトレーニング種目で鍛えられます。

ダンベルレッグカールのやり方

 

ダンベルレッグカールを実施する上で大切なポイントは、上半身を上下させたりせず、膝から先だけの動作で行うことです。これにより、負荷が体幹に逃げてしまうことが防げます。

なお、膝を曲げた位置でつま先を伸ばす動作を加えると、さらに強くハムストリングスに効かせることが可能です。

股関節を閉じる(開かないように維持する)筋肉

内転筋群(Adductors muscles)

は大内転筋・長内転筋・短内転筋・薄筋・恥骨筋の5つの筋肉から構成されており、なかでも筋力の強い大内転筋が主なトレーニング対象となります。

長内転筋は大腿部を内転させる作用と股関節を屈曲させる作用を併せ持っています。

短内転筋は、股関節の内転と股関節屈曲の補助をする作用があります。

大内転筋は股関節を内転させる作用があります。

引用:sfphes「体幹インナーマッスル図鑑」

大内転筋は股関節内転(脚を閉じる動き)の作用を主としながら、股関節屈曲にも関わり、腸腰筋群と共働関係にあります。

大内転筋(だいないてんきん、adductor magnus muscle)は人間の恥骨の筋肉で股関節の内転、屈曲を行う。

引用:Wikipedia「大内転筋」

内転筋群は脚を閉じる(内転動作)を含むワイドスクワット系種目、サイドランジ系種目、アダクション系種目で鍛えられます。

トレーニング方法としては大きく分けて二通りあり、大きく股関節を開いて動作をするワイドスタンススクワットや四股、もう一つは脚を閉じる運動があり、アダクション等を使用する。

引用:Wikipedia「大内転筋」

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内転筋群の構造とトレーニング種目

ダンベルワイドスクワットのやり方


ダンベルワイドスクワットを実施する上で大切なポイントは、膝関節への負担を避けるため、膝がつま先より前に出ないようにすることです。

また、膝の向きとつま先の向きを同じ方向にすることも重要です。

さらに足を大きく開いて左右方向へのスライド動作を加えると「ダンベルサイドランジ」になります。

ダンベルサイドランジのやり方


ダンベルサイドランジを実施する上で大切なポイントは、膝関節への負担を避けるため、膝がつま先より前に出ないようにすることです。

また、膝の向きとつま先の向きを同じ方向にすることも重要です。

なお、伸ばしたほうの脚で身体を引き上げるように動作すると、より内転筋群に負荷がかかります。

膝の屈曲に関わる筋肉

ハムストリングスの鍛え方

ハムストリングスは大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋の3つの筋肉から構成される筋肉群で、膝関節屈曲の作用を持ちます。また、股関節伸展においても、臀筋と協働して作用するため、走るための大腿部の筋肉としては大腿四頭筋よりも重要視されています。

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ハムストリングスの構造とトレーニング種目

ハムストリングスが関与するトレーニング種目は以下の通りです。

ダンベルフロントランジのやり方


ダンベルフロントランジを実施する上で大切なポイントは、膝関節への負担を避けるため、膝がつま先より前に出ないようにすることです。

また、前にした脚を主動にすると大腿四頭筋に、後ろにした脚を主動にするとハムストリングスに負荷がかかります。

後ろの足を台などに乗せて行うと、高強度バリエーションの「ダンベルブルガリアンスクワット」になります。

膝の伸展に関わる筋肉

大腿四頭筋の鍛え方

大腿四頭筋は大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋から構成され、膝関節伸展の作用を持ちます。

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大腿四頭筋の構造とトレーニング種目

ダンベルスクワットのやり方



ダンベルスクワットを実施する上で大切なポイントは、膝関節への負担を避けるため、膝がつま先より前に出ないようにすることです。

また、膝の向きとつま先の向きを同じ方向にすることも重要です。

ダンベルレッグエクステンションのやり方



ダンベルレッグエクステンションを実施する上で大切なポイントは、上半身を前後させたりせず、膝から先だけの動作で行うことです。これにより、負荷が体幹に逃げてしまうことが防げます。

なお、膝を伸ばした位置でつま先を手前に向ける動作を加えると、さらに強く大腿四頭筋に効かせることが可能です。

広背筋の鍛え方

広背筋は背面側部に広がる大きな筋肉で、上腕を上や前から引き寄せる作用があります。僧帽筋や脊柱起立筋と協働関係にあります。

また、協働する深層筋として大円筋などがあります。

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広背筋の構造とトレーニング種目

なお、水泳の泳力に関係する種目としては、腕を引き寄せるためのプルダウン系種目、腕をかく動作に重要なプルオーバー系種目があります。

ダンベルローイングのやり方



ダンベルローイングを実施する上で大切なポイントは、腕を伸ばした位置でしっかりと肩甲骨を開放し、腕を引き寄せた位置でしっかりと肩甲骨を寄せきることです。

これにより、負荷が上腕二頭筋に逃げることなく広背筋や僧帽筋に集中します。

種類として、片手をついてもう片手で行うことで動作範囲を広くできる「ダンベルワンハンドローイング」、立って前傾姿勢で行うことで脊柱起立筋にも効果的な「スタンディングダンベルローイング」などがあります。

ダンベルプルオーバーのやり方



ダンベルプルオーバーを実施する上で大切なポイントは、ターゲットにする筋肉別に肘の角度を変えることです。

具体的には、肘を曲げて動作を行うと大胸筋に、肘を伸ばして動作を行うと広背筋に負荷がかかります。

ダンベルストレートアームプルオーバーは肘を伸ばして行うバリエーションで、主に広背筋に負荷がかかります。


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当コーナーでは、ジムトレーナーを職業とするメンバーと生物学の専門知識を持つ博物館学芸員のメンバーが共同で執筆・制作した筋肉の構造・作用および筋力トレーニング各種目の解説記事を公開しています。マリンスポーツの補助としてだけでなく、あらゆる目的での筋力トレーニングに対応した内容です。


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