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【カバ・コビトカバの種類フリー画像図鑑】現生2種の生態(分布・餌・赤い汗など)と分類(絶滅化石種)を博物館学芸員が解説

カバの現生2種の生態について生物学の博物館学芸員の筆者が解説します。あわせて、分類と絶滅化石種についてもご紹介します。

カバとはどんな動物?

カバ科(カバか、Hippopotamidae)は、偶蹄目(鯨偶蹄目とする説もあり)分類される科。

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/カバ科

カバとはカバ科に分類される哺乳動物のグループを指し、現生種としてはコビトカバ属とカバ属が含まれます(いずれも1種のみ)。


なお、カバの仲間は以前は偶蹄目と近年とされていましたが、最新のゲノム解析によって鯨目に非常に近縁であることが判明しました。

カバ科には以下の属と種が含まれます。

ケニアポタムス属|Kenyapotamus(絶滅)

ヘクサプロドン属|Hexaprotodon(絶滅)

コビトカバ属|Choeropsis

  コビトカバ|Choeropsis liberiensis

カバ属|Hippopotamus

  カバ|Hippopotamus amphibius

 ゴルゴプスカバ|Hippopotamus gorgops(絶滅)

それでは、次の項目からは現生している2種のカバについて解説していきます。

カバ|Hippopotamus amphibius


カバは半水生の草食哺乳類で、その体長3~4.5m・体重1300~2000kgにもなる大型獣です。


かつてはアフリカ大陸中央部~南部とナイル川に広く分布していましたが、現在では大きく生息域を減らしています。


半水生に適応した頭部構造を持っており、目・鼻・耳が一直線に並び、身体のほとんどを水中に没したまま周囲をうかがうことができます。


水中への最大潜水可能時間は約5分で、身体の比重が水よりも重いため水底を歩行することが可能です。逆に、あまりにも深い水場には入ることができません。


食性は植物食で、草・木の根・木の葉などを食べますが、その長い牙は木の根を掘り起こすのに役立っています。また、外敵から身を守る際の屈強な武器ともなります。


妊娠期間は210~240日で、出産は水中で行われ、1度に1頭の幼獣を産みます。寿命は約30年と考えられています。

カバの赤い汗

カバは「赤い汗をかく」と言われますが、本種は厳密には皮脂腺も汗腺も持っていません。かわりに、ヒポスドール酸とノルヒポスドール酸を分泌するための腺を持っており、この分泌液が赤いことから「血の汗」などと表現されるようになりました。

この分泌液は乾燥すると紫外線を防ぐ作用があるほか、殺菌作用もあり怪我からの回復に働きます。

コビトカバ|Choeropsis liberiensis


コビトカバは1913年に発見された小型のカバで、別名をコガタカバやミニカバとも言います。


アフリカ大陸西海岸のごく限られた場所にだけ分布しています。


カバに比べるとやや陸生・森林性が強く、河川ではなく森林内の沼や池に生息しています。食性は植物食で、草・地下茎・木の葉・果実などを食べています。


妊娠期間は180~210日で、隔年で1度に1頭の幼獣を産みます。寿命は20年前後と推測されています。

ゴルゴプスカバ|Hippopotamus gorgops


ゴルゴプスカバは新生代更新世のアフリカ大陸東部に生息していた絶滅種で、現生のカバと同じ属の近縁種です。

生態などは現生のカバとほぼ同じであったと考えられていますが、化石より類推すると現生種よりも一回り大きな体躯をしていました。

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