オーストラリアに生息するウォンバットは、カンガルーやコアラと同じ有袋類で、その可愛すぎる性格・外見からマイナーな動物ながらファンも少なくありません。その生態的特徴を写真集形式でご紹介します。
■ウォンバットってどんな動物?
●コアラに近い草食性動物
ウォンバットが分布するオーストラリア大陸は、プレート運動の働きにより、哺乳類が出現した黎明期にゴンドアナ大陸(ユーラシア・アフリカ・南北アメリカの各大陸が地続きだった古代の巨大大陸)から切り離されました。
オーストラリアが分断された時代は、まだ哺乳類は胎盤を持たず、超未熟な子供を産み母体のもつ袋で育てるという進化過程でした。
このため、先に切り離されたオーストラリア大陸では、哺乳類は袋を持ったまま進化・分化していき現在の有袋類に進化したのです。
他の大陸では、さらに進化した有胎盤類が古代の有袋類を駆逐したため、現在では南米のオッポサム類をのぞき有袋類は現存していません。
有胎盤類が登場しなかったオーストラリア大陸では、様々な空間に有袋類が進化し、フクロオオカミやフクロサーベルタイガーなど本物のオオカミやサーベルタイガーそっくりな肉食有袋類まで出現したのです(現在は絶滅)。
このような、由来が全く違う動物がよく似た生態・形態に進化することを収斂進化(しゅうれんしんか)と言いますが、有名な有袋類で当てはめると、カンガルーは袋シカ、コアラは袋サルといったところでしょうか。
では、ウォンバットは?と言いますと、袋カピバラ+袋イノシンという位置付けの動物になります。
さて、そんなウォンバットですが大きさは体長1m弱、体重20~30kgになり、頑丈な前足で土に穴を掘って巣穴を作り暮らしています。
動物園などで、土管に入って安心しているウォンバットを見たことがある方も少なくないでしょうが、ウォンバットの土管好きの理由はそんな生態が理由です。
ウォンバットの食性は草食性で、特に根菜類を好む習性があります。
くりくりとしたつぶらな瞳がチャームポイントのウォンバットですが、夜行性なのできっと良く見えるんでしょうね。