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【クロオオアリの飼い方図鑑】生態的特長と飼育繁殖方法について博物館学芸員が解説



クロオオアリの生態について解説するとともに、20年以上、生物学学芸員として博物館施設に勤務し、昆虫が専門分野の一つである筆者が、その飼育方法についてご紹介していきます。

クロオオアリとはどんな生き物?



クロオオアリ(黒大蟻、Camponotus japonicus)は、ハチ目・アリ科・ヤマアリ亜科・オオアリ属に分類されるアリの一種である。同属のムネアカオオアリと並んで日本列島に分布するアリの中では最大となる大型のアリで、南西諸島以外の日本では住宅地などでもよく見られる最普通種の1つである。

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/クロオオアリ

クロオオアリの成虫の飼い方



クロオオアリの簡易的な飼育方法としては、働きアリをトラップなどで採集して飼育するやり方があります。

飼育ケースに土と砂を混ぜたベースを入れ、崩れない程度に湿り気を与えると巣を作って生活を始めます。

餌は昆虫ゼリーや薄めたメープルシロップを主体に、砕いたドッグフードなど動物質のものも与えます。

ただし、この方法は働きアリが数ヶ月の寿命を迎えるとそこで飼育が終わってしまいますので、本格的な飼育には寿命が10年近く、産卵をして個体群を維持できる女王アリの捕獲が必要になります。

クロオオアリの繁殖と幼虫飼育



クロオオアリを継続的に飼育・繁殖させるためには、前述の通りコロニーの核となる女王アリを捕獲して飼育する必要があります。

このためには、巣を丹念に深く・広範囲に掘り返す必要があり、かなりの労力を必要とします。

または、写真のように交尾後の羽アリ(新女王アリ)を捕まえてゼロからコロニーを作らせる方法もあります。

いずれにせよ、この場合(女王アリ飼育の場合)、個体数と巣の大きさは増大するため、最低でも90cm水槽ほどの大型飼育ケースが必要になります。

ベースとなる土の作り方や餌のやり方は、働きアリだけの簡易飼育の場合とほぼ同じです。

なお、女王アリに活発に産卵させるためには、クワガタムシ用のタンパク質配合昆虫ゼリーが有効です。

なお、本種は固いものに沿って巣穴を掘る性質がありますので、ただ飼育するだけでなく、巣の中の様子を観察したい場合は、水槽のガラス面に遮光材(厚手のベニヤ板など)を貼りつけ、観察するときだけ取り外すようにするとよいでしょう。

昆虫の飼い方図鑑の一覧はこちら

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