![20160907113038058.jpg](https://blog-imgs-95.fc2.com/f/u/t/futamitc/20160907113038058.jpg)
古生代の海のプレデターである、ウミサソリの生態をCG動画をまじえて解説します。
ウミサソリとはどんな生き物?
ウミサソリ(海蠍、英: sea scorpion)、別名広翼類(こうよくるい、英: eurypterid[6], 学名: Eurypterida)は、鋏角類に属する化石節足動物の分類群の一つ。分類学上はウミサソリ目(広翼目)とされる。しずく型の体と、腹面の生殖器周辺に融合した外骨格をもつ。和名および英名などの通称にサソリ(scorpion)の名が付くが、サソリではない。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/ウミサソリ
ウミサソリの繁栄期と分類
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/eb/20201231_Acutiramus_macrophthalmus.png/799px-20201231_Acutiramus_macrophthalmus.png?20210729154338)
ウミサソリは約4億6000万年前、古生代(オルドビス紀~シルル紀~デボン紀)の海の食物連鎖の頂点に君臨していた巨大な甲殻類の仲間で、特にシルル紀には頂点捕食者だったと考えられています。
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/0d/Mega-Eurypterids.svg/1024px-Mega-Eurypterids.svg.png)
最大で全長3m近くにもなり、真性魚類の祖先である無顎類を捕食していたと考えられています。
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/61/Eurypterus_anatomy.png/800px-Eurypterus_anatomy.png)
分類的には甲殻類のなかで比較的原始的なグループである剣尾類(サソリやカブトガニの仲間)に属していますが、より古い甲殻類の頂点捕食者であるアノマロカリスとは、脚が分化していた(捕食脚・歩脚・遊泳脚)点で大きく異なります。
ウミサソリの衰退と絶滅
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/79/Stylonurina.png/673px-Stylonurina.png?20190626162314)
ウミサソリの種類
アキュティラムス
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/05/20210101_Acutiramus.png/1280px-20210101_Acutiramus.png)
アキュティラムスは、頭部に6対の付属肢を持ち、最前肢はハサミ状の鋏角、2〜5肢は歩脚、最後肢は遊泳脚になっていました。眼は単眼と複眼のそれぞれ一対を持っていました。胴部は12節から構成されており、最後はヘラ状の尾部になっていました。最大種では体長2mにもなったと考えられています。底生の捕食者(または腐肉食)であったと考えられています。あまり移動力は高くなかったと考えられており、捕食者であったとしても、おそらく待ち伏せ型であったと推測されています。
メガラクネ
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/c/ca/20210116_Megarachne_hypothetical_reconstruction.png/1280px-20210116_Megarachne_hypothetical_reconstruction.png)
メガラクネは、ウミサソリ類のなかでも「胴部が短い」という変わった特徴を持っています。このため、化石発見当初はクモ類と誤認されていました。かなり大型で体長50cm程だったと考えられています。生態に関しては不明な点が多く、詳しくは解明されていませんが、底生捕食者(または腐肉食)だったと推測されています。
メガログラプトゥス
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/5a/Megalograptus_color_reconstruction.png/1280px-Megalograptus_color_reconstruction.png)
メガログラプトゥスは、6対の前部付属肢を持っていましたが、特に第2肢が非常に強大に発達しているのが特徴です。第5肢は他の多くのウミサソリ類同様に遊泳脚となっていました。胴部は細長く、尾部はハサミ状をしており、実際にものを挟む機能があったと考えられています。体長は最大で50cm程でした。強大な第2肢を海底の泥の中に突っ込み、小動物を捕食していたと推測されています。
スティロヌルス
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d4/Stylonurus_BW.jpg)
スティロヌルスは、5対の歩脚を持っており、特に後方の二対は非常に長大でした。尾部は長い針状になっていました。底生捕食者(または腐肉食)であったと考えられています。
ミクソプテルス
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/2a/Mixopterus_BW.jpg)
ミクソプテルスは、ウミサソリ類の典型的なフォルムをしており、頭部には6対の付属肢があります。最前肢は鋏角になっており、第2肢が強大な捕獲肢となっています。他の多くのウミサソリ類同様に第5肢は遊泳脚です。尾部は細長く針状をしていました。最大で80cm弱になったと考えられています。待ち伏せ型捕食者で、海底の泥の中に潜って獲物が近づくのを待っていたと推測されています。
エレトプテルス
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d0/20210102_Erettopterus_bilobus.png/1280px-20210102_Erettopterus_bilobus.png)
エレトプテルスは、最前肢である鋏角が発達しまハサミ状になっていました。第5肢は遊泳脚としてパドル状をしており、尾部も遊泳に有利な大きなヘラ状をしていました。最大で体長1mを超えたと考えられています。遊泳力に優れていたと考えられており、積極的に獲物を追尾して捕獲する捕食者であったと推測されています。
プテリゴトゥス
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/5b/20201227_Pterygotus_anglicus.png/1280px-20201227_Pterygotus_anglicus.png)
プテリゴトゥスは、鋏角が多関節のハサミ状になっていました。第2〜5肢は歩脚に、第6肢は遊泳脚になっており、尾部も遊泳に有利なヘラ状をしていました。ウミサソリ類のなかでも最大種の一つで、体長は2mにも達しました。遊泳力に優れ、捕食のために進化した鋏角も優れていたため、当時の海での頂点捕食者であったと考えられています。