東京海洋大学による水産調査が行われました

 平成26年9月23日(火)から26日(金)まで、東京海洋大学海洋政策文化学科の学生14名と引率の先生2名が志摩市を訪れ、水産調査が行われました。

 東京海洋大学の海洋政策文化学科は、海と人との共生関係に根ざした海洋利用と管理を、「達成しなければならない人類的な課題」と捉え、総合的な教育・研究を行い、グローバルで、しかもローカルな視点に立った政策提言など、新たな海洋産業・海洋文化の発展を理論と実践の両面から追求されています。

 今回は沿岸域の総合的管理を志向した漁業及び水産業を含めた各種産業、歴史的・文化的取り組みをめぐる地域コミュニティのあり方について理解を深めることを目的に、志摩市を全国でも先進的な取り組み地域として選んでいただき、9月24日、25日の2日間、志摩市内をめぐって新しい里海創生によるまちづくりに取り組む関係者から聞き取り調査を行いました。

 23日は、里海推進室の職員が沿岸域の総合的管理の手法を取り入れた志摩市の「新しい里海創生によるまちづくり」の概要や進捗状況などについて説明し、質疑を行いました。

 24日は最初に横山ビジターセンターと横山展望台を訪問し、伊勢志摩国立公園の指定状況や志摩市の全景を確認してから聞き取りに向かいました。三重県水産研究所では、研究所の研究概要や干潟に関する調査研究について、ミキモト真珠研究所では真珠養殖と環境について話を聞きました。ミキモト真珠研究所で対応していただいた研究員は東京海洋大学の出身で、後輩たちの訪問に気持ちよく対応していただきました。合歓の郷ホテル&リゾートでは生憎の雨となったため、高台にある「里山ラウンジ」から里山水生園をの整備状況を視察し、合歓の郷としての取り組みについて質疑を行いました。

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 25日には志摩市役所で志摩市の担当課の職員と志摩市景観計画の運用状況や水産業の概要、あおさプロジェクトの内容、志摩ブランド制度について、活発な質疑が行われました。景観計画に関しては、景観計画の策定を通して、市民が自分たちが住んでいるまちについて改めて見直す動きが始まってきたことなど、計画運用の波及効果が出てきていることなどが説明されました。水産関係では、産業間の連携や未利用魚の活用の検討、災害への対応や食育の対応など幅広い質問がありました。志摩ブランドに関しては認定方針や、認定後の情報発信のあり方などについて意見が出され、今後の取り組みの参考となりました。

 午後からは三重外湾漁協安乗事業所であのりふぐの取り組みについて、その後鳥羽磯部漁業協同組合的矢支所で的矢湾のかき養殖について視察を行い、実際に水産業の現場に携わる漁業者や漁協の職員の生の声を聞かせていただきました。普段現場の声を聞くことの少ない学生の皆さんにとって、あのりふぐや的矢のかきの取り組みなど、全国でも先進的に取り組んでいる現場の話はこれからの水産業のあり方を考える上で参考になったと思います。

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 今回の調査では、学生の皆さんがそれぞれ事前に志摩市の取り組みについて予備調査を行い、興味のある取り組みなどについて活発に質疑が行われました。スルドイ質問もあって、学生の皆さん本当に真剣に取り組んでいるんだなと感じましたし、今回の調査の経験が、学生の皆さんが今後海洋の管理に関わる仕事に就いたときに役立つような体験となってくれれば良いなと思います。また、こうした真剣な質疑を通して、応対する志摩市の関係者にとっても、新しい「気づき」があるのではないかと思います。住んでいる人にも、訪れる人にも「良し」の、「里海ツーリズム」と言えるのではないでしょうか。

 これまで海洋の管理について、きちんと教育の場に取り上げられることは少なかったのですが、日本が世界で6番目に広い排他的経済水域を持つことを踏まえ、近年海洋管理の重要性が再認識されています。これからもこうした海洋教育を受けた人材が、志摩市だけでなく全国で活躍し、持続可能な海洋利用につながっていくことが期待されます。

 新しい里海のまち・志摩として、これからもこうした人材育成の場として活用していただけるように、関係者の皆さんと連携して、頑張って取り組みを進めて生きたいと思いました。