女性の筋力トレーニング


画像引用:https://bukiya.net/blog/f-musclename/
昨今はいわゆる「女性の筋トレブーム」の影響もあり、女性の自宅筋力トレーニングの実施、トレーニングジムへの進出、ひいてはパワーリフティング競技をはじめとしたウエイト競技への進出も目立ってきました。
とは言え、現状のトレーニング情報は男性の筋力増加・筋肥大トレーニングをベースとした情報がまだまだ主流であり、女性の筋力トレーニングにおいては適さない理論も含まれているケースがあります。
本記事では、一般的な女性が筋力トレーニングに取り組む目的である健康的なダイエット運動に適切なトレーニング方法・一週間のプログラムの組み方について解説します。
※ダイエット本来の意味は、ただ痩せる(体重減少)という意味ではなく、健康的に筋密度や筋量を増加させ、基礎代謝の高く体脂肪率が適切な体型・体質を目指すことであり、本記事でのダイエットはそのような意味で表記しています。

女性が筋力トレーニングに取り組むための基礎知識


女性が筋力トレーニングに取り組むにあたり、まず知っておくべき知識が、①筋肉の正しい名称と作用、②筋繊維の種類と特徴とトレーニング負荷回数設定、③超回復理論に基づいたトレーニング頻度、④トレーニング方法ごとの長所・短所、の四点でこれらを総合して一週間のトレーニングプログラムを組み立て、実施していくことが重要です。

①筋肉の正しい名称と作用


画像引用:https://glfit.net/?p=5895
女性に多く使用されている筋肉の俗称の正式名称は以下の通りです。

主たる骨格筋の正式な名称

俗称正式な筋肉名称
胸の筋肉大胸筋(だいきょうきん)
背中の筋肉広背筋(こうはいきん)
首の筋肉僧坊筋(そうぼうきん)
肩の筋肉三角筋(さんかくきん)
二の腕裏の筋肉上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)
二の腕前の筋肉上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)
お腹の筋肉腹筋群(ふっきんぐん)
腰の筋肉脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)
お尻の筋肉臀筋群(でんきんぐん)
太ももの筋肉大腿四頭筋(だいたいしとうきん)
内ももの筋肉内転筋群(ないてんきんぐん)
裏ももの筋肉ハムストリングス
ふくらはぎ下腿三頭筋(かたいさんとうきん)

筋力トレーニングの対象となる主な骨格筋は、その連動性と共働関係から以下のようにグループ分けされるのが一般的です。それぞれの筋肉名称と主な作用は下記の通りです。

1.上半身前面(押す動作)のグループ

大胸筋:上腕を前方に押し出し閉じる
三角筋:上腕を上・前・横・後ろに上げる
上腕三頭筋:肘関節を伸展させる
前腕伸筋群:手首関節を伸展させる
腹筋群:体幹を屈曲・回旋させる
このほかに、小胸筋・前鋸筋・肘筋などの深層筋も含まれます。

2.上半身後面(引く動作)のグループ

僧坊筋:肩甲骨を引き寄せる
広背筋:上腕を上・前から引き寄せる
上腕二頭筋:肘関節を屈曲させる
前腕屈筋群:手首関節を屈曲させる
脊柱起立筋:体幹を伸展させる
このほかに、菱形筋・大円筋・回旋筋腱板。上腕筋などの深層筋も含まれます。

3.下半身前面(押す動作)のグループ

腸腰筋群:股関節を屈曲させる
大腿四頭筋:肘関節を伸展させる
下腿三頭筋:足首関節を伸展させる

4.下半身後面(引く動作)のグループ

臀筋群:股関節を伸展させる
ハムストリングス:膝関節を屈曲させる
内転筋群:大腿を内転させる

②筋繊維の種類とトレーニング目的別の負荷設定


筋力トレーニングの対象となる骨格筋は、筋繊維が束状になって構成されていますが、その筋繊維には大きく「遅筋」と「速筋」があり、速筋は「筋繊維タイプ2a」と「筋繊維タイプ2b」に分けられます。それぞれの特性と筋力トレーニングでの負荷設定は以下の通りです

遅筋(筋繊維タイプ1)

持久的な運動において持続的な遅い収縮(Slow)をし、酸素(Oxygen)を消費することからSO筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えてもほとんど筋肥大しません。陸上競技で例えるなら、長距離走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは20レップス以上の反復回数で挙上限界がくるような、低負荷設定で鍛えます。

速筋(筋繊維タイプ2a)

持久要素のある瞬発的な動作において速い収縮(Fast)をし、酸素(Oxygen)を消費することからFO筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると筋肥大します。陸上競技で例えるなら、400~800m走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは12~15レップスの反復回数で挙上限界がくるような、中負荷設定で鍛えます。

速筋(筋繊維タイプ2b)

瞬発的な運動において爆発的な速い収縮(Fast)をし、グリコーゲン(Glycogen)を消費することからFG筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると強く筋肥大します。陸上競技で例えるなら、100~200m走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは6~10レップスの反復回数で挙上限界がくるような、高負荷設定で鍛えます。

一般的な女性のトレーニングの負荷回数設定


このようなことから、一般的な女性の筋力トレーニングにおいては、基本的には遅筋(筋繊維タイプ1)をターゲットに20回以上の反復回数で限界がくるような低負荷高レップスでセットを実施し、部分的なボリュームアップや筋力アップを狙う部位は速筋(筋繊維タイプ2a)をターゲットに15回前後のレップスで実施します。
なお、パワーリフティング競技など瞬発力を要するスポーツの補助目的で筋力トレーニングを行う場合は、速筋(筋繊維タイプ2b)をターゲットにして高負荷トレーニングを行います。
参照記事:https://bukiya.net/blog/musclename

厚生労働省による筋繊維に関する記載

骨格筋を構成している筋繊維には大きく分けて速筋と遅筋の2種類があります。速筋は白っぽいため白筋とも呼ばれます。収縮スピードが速く、瞬間的に大きな力を出すことができますが、長時間収縮を維持することができず張力が低下してしまいます。遅筋は赤みがかった色から赤筋とも呼ばれます。収縮のスピードは比較的遅く、大きな力を出すことはできませんが、疲れにくく長時間にわたって一定の張力を維持することができます。引用:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-026.html

④超回復理論にのっとったトレーニングプログラム


筋力トレーニングを行い筋繊維に負荷をかけると、筋繊維はわずかな裂傷を負い、一定の回復期間の後にトレーニング前よりも強く・太くなって回復します。この生体反応を「超回復」と呼び、筋力トレーニングとは、計画的に超回復を繰り返すことにより筋肉を強くしていく行為です。
このため、筋肉に対してレジスタンス負荷をかける頻度・間隔には十分に留意してトレーニングプログラムを組み立てる必要があります。
骨格筋の超回復期間には、それぞれ固有の回復時間があり、それは年齢や性別によって左右されますが、20~30代男性の場合、おおよそ以下のようになります。

筋肉部位ごとの超回復期間

・大胸筋:48時間
・三角筋:48時間
・上腕三頭筋:48時間
・僧帽筋:48時間
・広背筋:72時間
・上腕二頭筋:48時間
・腹筋群:24時間
・脊柱起立筋:72時間
・大臀筋:48時間
・大腿四頭筋:72時間
・ハムストリングス:72時間
・前腕筋群:24時間
・下腿三頭筋:24時間
参照記事:https://glfit.net/?p=5874
 
なお、加齢とともに超回復期間は最大2倍程度まで長くなります。また、女性は男性に比べると筋肉合成に関わるホルモン分泌量が少ないため、男性よりも超回復期間が長くなる傾向にあります。
このような、超回復理論にのっとり効率的に全身をトレーニングしていくためには、全身の筋肉を連動性によっていくつかのグループに分け、ローテーションで鍛えていく「部位分割法|スプリットトレーニング」が最適です。その具体的なローテーションの組み方は以下の通りです。

週2回のトレーニングの場合

①上半身・下半身の押す動作の筋肉
②上半身・下半身の引く動作の筋肉

週3回のトレーニングの場合

①上半身の押す動作の筋肉
②下半身の筋肉
③上半身の引く動作の筋肉

週4回のトレーニングの場合

①上半身の押す動作の筋肉
②下半身の押す動作の筋肉
③上半身の引く動作の筋肉
④下半身の引く動作の筋肉
参照記事:https://glfit.net/?p=5872
参照記事:https://bukiya.net/blog/weighttrainning

厚生労働省による超回復とトレーニング頻度に関する記載

筋肉には疲労からの回復の時間が必要です。レジスタンス運動は標的の筋肉に負荷を集中する運動ですから、その筋肉に十分な回復期間としてトレーニング間隔をあける必要があります。毎日行うのではなく、2-3日に一回程度、週あたり2-3回行うくらいの運動頻度が推奨されます。引用:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-058.html
筋肉はレジスタンス運動を行うと筋線維の一部が破断されます。それが修復される際にもとの筋線維よりも少し太い状態になります。これを「超回復」と呼び、これを繰り返すと筋の断面積が全体として太くなり筋力が上がります。筋力のトレーニングはこの仕組みを利用して最大筋力に近い負荷でレジスタンス運動し、筋が修復されるまで2~3日の休息ののち、またレジスタンス運動でトレーニングということの繰り返しによって行われます。引用:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-092.html

⑤各トレーニング種目の具体的な実施方法

大胸筋のトレーニングメニュー


①腕立て伏せなど自重トレーニングでアップ(1セット)
②ダンベルプレス・マシンチェストプレス・バーベルベンチプレスなど複合関節種目を行う(3セット前後)
③ダンベルフライ・マシンチェストフライなど単関節種目で仕上げる(1セット)
④ダンベルプルオーバー・バーベルプルオーバーなど胸郭トレーニングを行う(1セット)
大胸筋の女性向き種目個別解説記事
腕立て伏せ
ダンベルプレス
ダンベルフライ
ダンベルプルオーバー
バーベルベンチプレス
マシンチェストプレス
マシンチェストフライ
ケーブルマシンフライ
bukiya.netより

三角筋のトレーニングメニュー


①パイクプッシュアップなど自重トレーニングでアップ(1セット)
②ダンベルショルダープレス・マシンショルダープレス・バーベルショルダープレスなど複合関節種目を行う(2セット前後)
③サイドレイズ系種目やリアラテラルレイズ系種目など単関節種目で仕上げる(1セット)
三角筋の女性向き種目個別解説記事
ダンベルショルダープレス
ダンベルアップライトロー
ダンベルフロントレイズ
ダンベルサイドレイズ
ダンベルリアラテラル
バーベルショルダープレス
バーベルアップライトロー
マシンショルダープレス
ケーブルサイドレイズ
bukiya.netより

上腕三頭筋のトレーニングメニュー


①ベンチディップスなど自重トレーニングでアップ(1セット)
②ナローベンチプレスなど複合関節種目を行う(2セット前後)
③ダンベルキックバック・ケーブルプレスダウン・バーベルフレンチプレスなど単関節種目で仕上げる(1セット)
上腕三頭筋の女性向き種目個別解説記事
ダンベルキックバック
バーベルフレンチプレス
トライセプスプレスダウン
bukiya.netより

背筋群のトレーニングメニュー


①斜め懸垂・懸垂など自重トレーニングでアップ(1セット)
②ダンベルデッドリフト・ダンベルローイング・ケーブルローイング・ケーブルラットプルダウン・バーベルデッドリフト・バーベルベントオーバーローなど複合関節種目を行う(3セット前後)
③ダンベルシュラッグ・ダンベルリバースフライ・バーベルシュラッグなど単関節種目で仕上げる(1セット)
④バックエクステンション・ダンベルグッドモーニングなど脊柱起立筋の種目を行う(1セット)
背筋群の女性向き種目個別解説記事
懸垂
斜め懸垂
バックエクステンション
ダンベルデッドリフト
ダンベルローイング
ダンベルシュラッグ
ダンベルリバースフライ
ダンベルグッドモーニング
バーベルデッドリフト
バーベルベントオーバーロー
バーベルショルダーシュラッグ
ケーブルローイング
ケーブルラットプルダウン
スミスマシンデッドリフト
bukiya.netより

上腕二頭筋のトレーニングメニュー


①逆手懸垂など自重トレーニングでアップ(1セット)
②ダンベルカール・ケーブルカール・バーベルカールなど単関節種目を行う(3セット前後)
上腕二頭筋の女性向き種目個別解説記事
ダンベルカール
バーベルカール
ケーブルカール
bukiya.netより

腹筋群のトレーニングメニュー


①カールアップクランチ・ダンベルクランチ・マシンクランチなど腹直筋上部種目を行う(2セット)
②レッグレイズ・ダンベルレッグレイズなど腹直筋下部種目を行う(2セット)
③クランチツイスト・ダンベルサイドベント・トルソーマシンローテーションなど腹斜筋種目を行う(2セット前後)
腹筋群の女性向き種目個別解説記事
カールアップ
クランチ
リバースクランチ
レッグレイズ
ダンベルクランチ
ダンベルレッグレイズ
ダンベルサイドベント
マシンクランチ&ローテーション
bukiya.netより

下半身のトレーニングメニュー


①自重スクワットなど自重トレーニングでアップ(1セット)
②ダンベルスクワット・マシンレッグプレス・バーベルスクワットなど複合関節種目を行う(3セット前後)
③ダンベルレッグエクステンション・マシンレッグエクステンションなど大腿四頭筋種目で仕上げる(1セット)
④ダンベルレッグカール・マシンレッグカールなどハムストリングス種目で仕上げる(1セット)
⑤マシンアダクションなど内転筋群種目で仕上げる(1セット)
下半身の女性向き種目個別解説記事
スクワット
ブルガリアンスクワット
ダンベルスクワット
ダンベルフロントランジ
ダンベルサイドランジ
ダンベルレッグエクステンション
ダンベルレッグカール
ダンベルカーフレイズ
バーベルスクワット
バーベルフロントランジ
バーベルサイドランジ
バーベルスティッフレッグドデッドリフト
マシンレッグプレス
マシンレッグエクステンション
マシンレッグカール
マシンアダクション
bukiya.netより

筋力トレーニングと食事の基礎知識


筋力トレーニングを実施したら、そこで満足して終わるのではなく、トレーニング効果を最大限高める食事・栄養摂取をする必要があります。
筋力トレーニングと食事

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