第2回御食国食文化研修を開催しました!

 志摩市は、「SDGs未来都市」として、御食国として地域に引き継がれてきた食文化の継承を重点テーマとするまちづくりを進めており、この取り組みの一環として、御食国の食文化を海外に伝えることを通して志摩市の持続可能な食文化の価値を創造し、志摩市の経済・環境・社会など幅広い分野への波及効果を期待する「御食国食文化展開事業」が本年度からスタートしています。

 第1回食文化研修は、昨年8月に海外の食文化に関する専門家や学生を招き、国内からは辻調理師専門学校や立命館大学食マネジメント学部の先生や学生をお招きして、御食国の食文化の価値を国内外に伝えていくための学びのプログラム作りと、御食国の食文化をしっかりと伝えることができる人材の育成を行ってきました。

 今回の第2回食文化研修は、平成31年1月29日(火)から31日(木)の三日間、イタリア・ピエモンテ州にあるイタリア食科学大学の学生14名が、御食国の食文化を学ぶことなどを目的に志摩市を訪れました。イタリア食科学大学は、世界80カ国から学生が集まり、食文化を学ぶ国際的な総合大学で、食文化を学ぶために世界中で研修を行っています。

 1月29日(火)は、大王町波切の鰹節加工場を見学しました。古くから御食国としての神宮との関わりや鰹を燻す際の燃料にウバメガシを利用することが豊かな里山、里海の再生に繋がっていること、カビ付けなど技法にこだわった鰹節の作り方などを学びました。

IMG_4301.jpgIMG_4329.jpg

 1月30日(水)は、午前中に志摩の海藻文化について三重県水産研究所の研究員の方から説明を受け、その後アオサ養殖業者の作業現場を見学しました。学生たちは食用としてだけではなく、海藻が海の生態系の中での役割などを学び、志摩市の人々が海藻という「海の森」を上手に活用していることに感心している様子でした。午後からは磯部町的矢の佐藤養殖場さんで的矢かきの生産工程や紫外線殺菌海水を使ったかきの浄化技術などを学びました。昨年は海水温の上昇や台風が多く発生したこともあり、かき養殖は厳しい自然環境の中で操業していかなくてはならないという話に真剣に耳を傾けていました。

IMG_4379.jpgIMG_4428.jpg

IMG_4475.jpgIMG_4444.jpg

 その後、阿児町国府の芋の館きららさんを訪問し、きんこつくりについて学びました。畑の肥料の加減や自然乾燥など、生産過程におけるこだわりや、海女さんのおやつとしての海とのつながり、そしてきんこの皮を捨てることなくチップにして販売するなど、食材を無駄なく活用している取組に感心していました。干してから3日後、5日後、10日後のきんこを実際に試食し、一番人気があったのはなんと3日後のきんこ!やわらかい食感がうけたようで、生産者の方も今後の参考にしたいとのこと。もしかすると新たな商品開発に繋がるかもしれませんね!

IMG_4545.jpgIMG_4595.jpg

 最終日1月31日(木)は、早朝から志摩町の和具漁港でイセエビの網捌きや市場の様子を見学しました。和具地区では、共同で操業しその水揚げを平等に分配する「プール制」を実践していることや、小さなイセエビは放流するなどの資源管理を行っていることなどを学びました。その後、あづり浜の海女資料館に移動し、現役の海女さんからお話を伺いました。危険な仕事であるにもかかわらず、海を愛する気持ちや人は自然の一部という考え方を持ち、海に潜っている海女さんの価値観に感心した様子でした。

IMG_4632.jpgIMG_4641.jpg

IMG_4681.jpgIMG_4695.jpg

 午後からは水産高等学校を訪れ、水産高校生による鰹を活用した新たな商品開発の取組紹介や商品の試食、また地中海村のレストランで働くスペイン人シェフのイズマエルさんから、外国人から見た志摩の食文化などをお話しいただき、学生と意見交換をおこないました。また、夕方からは今回の研修にご参加いただいた生産者さん達をまじえて交流会を行いました。水産高校の生徒がさばいたカツオを使って地元の漁業者の奥さんが作ってくれたてこね寿司などの郷土料理のほか、きんこやところてんなど、志摩市の郷土料理を囲話が弾みました。

IMG_4795.jpgIMG_4835.jpgIMG_4853.jpgIMG_4933.jpgIMG_4930.jpgIMG_4972.jpg

 今回の研修では、学生、生産者、生徒間で食を通した積極的な交流が行われ、海外学生にとっての学びの場となっただけではなく、地元の皆さんにとっても改めて御食国・志摩の食文化の素晴らしさを認識する機会になったのではないかと思います。今後は今回の研修を踏まえ、より質の高いプログラムツアーの構築を目指し、検討を進めていきたいと思います。

IMG_4968.jpg