御食国志摩びと‟kids"養成講座『ぶりぼら』第4回「伊勢えびについて学ぼう」を実施しました

平成30年8月22日(水)、第4回のぶりぼらは、11名で浜島町にある三重県水産研究所を訪ねました。三重県水産研究所は、1899年に三重県水産試験場として創設され、100年以上の歴史がある研究所です。

今回は、研究管理監の津本さんに伊勢えびの生態や伊勢えび漁などについて詳しくお話を伺いました。

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伊勢えびってどんな生き物?というお話から始まり、伊勢えびは長くて強い触角を持ち、5対の脚があるけれどハサミはないこと。太い尾ひれがありますが、歩行する大型のエビであることや、三重県の代表的な水産物で、三重ブランドにもなっている美味しい高級食材ですと説明がありました。

伊勢えびの名前の由来は、大和本草(1709年)によれば、江戸時代の儒学者貝原益軒が「此のエビ、伊勢より多く来る故イセエビと号す」と述べた記述があるそうです。また、日本山海名産図会(1799年)によれば、「伊勢より京都へ送る故に伝也」と記述されています。

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伊勢えびの仲間は9種類いると言われ、九州の西岸から千葉県まで広く生息していますが、2016年11月には、地球温暖化の影響か岩手県でも伊勢えびが初めて漁獲されたそうです。

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雌の産卵は5月から7月で2回あり、1尾あたり約50万個抱卵するそうです。ふ化するのは7月から8月頃で、生まれた時は体長1.5mmのクモのような姿をしていてフィロソーマ幼生と呼ばれます。子どもたちは特別にフィロソーマ幼生の飼育水槽を見せてもらって、伊勢えびとは全く違う形をしていることに驚いたよう様子でした。フィロソーマ幼生は25回くらいの脱皮を繰り返しながら海の中に1年間漂い、1年後に体長30mmに成長します。その後プエルルスという姿に変態した後、沿岸の海岸に戻って最終的に稚エビに変態して岩場に住みつきます。夜行性で肉食になり、寿命は10年以上だそうです。

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次に、伊勢えび漁についてのお話がありました。伊勢えびは「刺し網」という漁具で獲っており、禁漁期や漁獲の制限が三重県の漁業調整規則により定められています。漁の禁止期間は、5月1日から9月30日まで(ただし、鳥羽市離島地域以北の海域においては、5月1日から9月15日まで。)、体長制限は頭胸甲長4.2センチメートルとなっています。また、地区によって使用する網の枚数や網の種類が決められているそうです。

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網にかかった伊勢えびは、しっぽの方から外すのですが、ひげとか足が取れたりすると値段が下がってしまうので、網捌きは、重要な作業となっています。市場では、獲れた伊勢えびを大・中・小基準を定めて選別し、小さなえびは海に返します。そうやって伊勢えびを大切に獲っているので、漁獲量は三重県が全国で一番で、つぎに和歌山県・千葉県と続きます。市町における伊勢えび漁獲量は、志摩市が130トンで全国で第1位!となっています。(2015年農林水産統計より)

伊勢えびは、九州地方では漁獲が減少傾向にあるそうです。その原因と考えられるのが、稚えびが成長する環境が悪くなっていることです。水温の上昇で、海藻'(アラメ・カジメ)が消失し、伊勢えびの餌になる小型の生き物が減っていることも一因だと考えられているそうです。

三重県水産研究所では、伊勢えびの人工飼育をしながら、まだまだ謎の多い伊勢えびの研究を積み重ね、三重県の伊勢えび漁を支えてくれています。地元に100年以上続く研究所の重みを今さらながら知ることが出来、子供たちは、津本さんと三重県水産研究所の玄関前で、一緒に大きな声で「伊勢えび」と声を揃えながら、笑顔で記念写真に納まりました。

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子どもたちの作ったカルタの一部を紹介します。

「伊勢えびは、 三重のブランド ちょー高い」

「さんらんは 五、六、七月に2回ある」

「すごいなあ 伊勢えび 何度もだっぴする」

「日本一の 伊勢えび 志摩一番」

「ラッキーだ 人工稚えびが できました」