御食国志摩びと‟kids"養成講座『ぶりぼら』第3回「かつお節屋さんを見学します」を実施しました

平成30年8月21日(火)、第3回のぶりぼらは、小学生5.6年生9名で大王町波切かつお節のいぶし小屋(まるてん有限会社)を訪ねました。

到着してすぐ、子どもたちは、かつお節の一番出汁の試飲をさせてもらい、和食の基本の出汁の美味しさを実感した様子でした。

天白さんのいぶし小屋は、昭和21年に建設されたものですが、かつお節自体はかなり古くから造っており、実質の創業年は記録に残らないほど古いそうです。

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志摩に古くから受け継がれてきたかつお節という食材をテーマに、かつお節づくりの歴史や作業の工程の説明を受けたり、御食国・志摩との関わりなどについて詳しく話を聞きました。

大王町波切は、奈良時代には志摩国伊雑郷魚切里と呼ばれ、伊勢神宮に御饌(みけ)を奉納し、都へかつお節を献上していました。魚切(なきり)と呼ばれるように当時から魚の加工が栄んだったことが伺えます。その当時はエンジンのない木船で沖に出て1本釣りでかつおを捕るかつお漁が盛んに行われていたそうです。かつおを保存する一番理想的な製造方法が燻製にした「かつお節」でした。

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万葉集には、志摩の歌が多く、そのほとんどが、『伊勢』の言葉で一括に詠まれています。平城京跡から発掘された木簡には、堅魚を献上した波切の名前がしるされています。

かつおを堅魚にしての記述があることからかつおを生の状態でなく、日持ちのする加工状態にして献上されていたようです。江戸時代に入って本格的なかつお節の製造が発達し、100軒から150軒のかつお節屋さんがあったそうです。

子どもたちは、かつお節の歴史に少し圧倒されたような様子で、かつおの天白社長さんの話に聞き入っていました。

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天白さんは、かつおの模型を見せながら、節となるサイズの切り分けで、サイズの大きいものは本節として頭や内臓を除去したあと4つ割りにして身をせいろに並べます。サイズの小さいものは、3枚におろし、左右2つの身の形が亀の甲羅に似ていることから、亀節と言うそうです。そしておろした身をじっくり煮ます。そして骨をていねいに1本1本抜いた後、かつおをいぶす作業に入ります。

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いぶす作業にかかせないのが、まきです。まきの原材料は、伊勢神宮林の森の中を走る伊勢道路周辺の林にもはえるウバメガシ。英虞湾の入り江の海岸沿岸部にも生えていますよね。ウナギを焼く時の炭に使う備長炭もウバメガシを使います。かつお節作りには、このまきを使う事で、里山の管理にも貢献しているわけです。かつおの身をいぶす作業は、水を抜いて乾燥させるため、本節だと14~15回以上繰り返し行われます。

最後の工程が、カビ付けと天日干しです。室に入れ、熟成をさせます。カビの力で脂肪を減少させることによって、あの香ばしい香味が付くわけです。天日干しとカビ付けの作業を3回から4回繰り返します。

カチカチになる本枯れ節になるまで、半年以上かけていくつもの工程を経てかつお節は作られていることに子どもたちは驚いた様子でした。

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また、実際にかつお節を手に取り、削り節器で削ってみる体験もさせていただきました。慣れない手つきながら、一生懸命削り、自分の削ったかつお節を確かめていました。

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かつお節のサイズの6倍くらいが、原型のかつおのサイズだと教わり、ぎゅーっと熟成させたかつお節の美味しさの秘密がわかった様子でした。同時に古くから、伊勢神宮にもお供えしている食材の歴史や製造のしかたを知り、海とともに暮らし、その自然の恵みを活用する知恵と工夫をしっかり学びました。

子どもたちが、作ったカルタの一部を披露します。

「おいしさのひけつは カビだ かつお節」

「カビをつけ じゅくせいさせる かつお節」

「さまざまな歴史を感じる かつお節」

「手間ひまを かけて作る かつお節」

「注目だ 波切のおいしい かつお節」