世界が注目!!和具のイセエビ漁!を開催しました

 平成30年3月8日(木)、志摩市商工会館で、"御食国志摩"サステナブルシーフドシンポジウムを開催しました。

 180308sympo0.jpg

 このシンポジウムは、和具地区で行われているイセエビ漁をモデルとして、志摩市の「食」が持つ本当の価値について地域の関係者が意識を共有し、その価値を活用した地域振興に取り組むためのきっかけを作ることを目的に開催したものです。夕食の時間で、しかも大雨という天気になってしまいましたが、会場は満席となるほどたくさんの方にご参加いただき、日本を代表するシェフとなられた志摩観光ホテルの樋口総料理長もご参加いただきました。

 シンポジウムでは、最初に和具で行われているイセエビ漁の特徴や注目点などについて、国連大学サステナビリティ高等研究所のユー・イヴォーンさんや東京大学海洋アライアンスの徳永さん、東京大学大学院の学生、木下さんから説明していただきました。

 ユーさんは、今世界では持続可能な社会を作っていくために、2015年に国連で「持続可能な開発目標」として17の分野で取り組みを進めることが定められ、世界中で「持続可能」をキーワードとした取り組みが進められているようになっていることの説明を受けました。そして、「持続可能」とは、単に魚を獲りすぎないということではなく、「環境」と「産業」、そして地域の「社会」が将来にわたって継続されるようにすることだと話されました。

180308sympo1.jpg

 徳永さんからは、和具地区のイセエビ漁の取組には、①漁業規制でイセエビを絶やさないようにするという「環境面」、②共同操業を導入してコストを削減し、漁業経営を安定させる「経済面」、③御食国の象徴的な食材であるイセエビを供給し続けることで地域全体を支える「社会面」での役割があることの説明がありました。行政が定めた規制によってこうした取組が行われているのではなく、漁師さんたちが三重県水産研究所の研究成果を受け入れ、自主的に取り組んでいることが世界でも注目されているそうです。

180308sympo2.jpg

 木下さんからは、イセエビ漁業の継続を図る上でイセエビの産地価格を上げていくことが必要になるが、一時的なブームではなく需給の状況も含めて適切な産地価格を形成するための入札制度などについて調査結果が報告されました。

180308sympo3.jpg

 講演に引き続いて、東京で持続可能な漁業で生産された魚や貝を使った料理である「サステナブルシーフード」を提供しいているシェフの集まりである「Chefs for the Blue」の世話人をされている佐々木ひろこさんからいただいたビデオレターを紹介しました。佐々木さんは「世界中で持続可能な水産物を求める流れが大きくなっており、和具地区のイセエビ漁師さんたちの取組は素晴らしい。ぜひ継続して欲しい」と話されました。

 講演に引き続いて「志摩市の食が持つ本当の価値の活かし方」をテーマに、和具海老網漁業同盟会の小磯会長のほか東京大学の石原先生、辻調理師専門学校の小山(おやま)さん、発表された徳永さんをパネリストに迎え、竹内市長がコーディネーターとなってパネルディスカッションを行いました。

180308sympo5.jpg

 パネルディスカッションでは、どうして和具地区で世界的に注目されるような漁業管理が実践できているのかについて話題になりました。当事者である小磯さんは「自分らのためにやっとるだけで、そんなに褒められても・・・」と謙遜されましたが、「獲ったもの勝ち」が原則の漁師の世界で、地域の皆さんが話し合って漁業が管理され、「環境」「経済」「社会」という世界が求めている3つの持続可能性に貢献していることは、なかなか出来ることではないとパネリストの皆さんから絶賛されました。

 小山さんが「和具という地名は、和を具える(そなえる)と書く。漁師さんが和を持って漁業をされていることを象徴する地名ですね」と話されると、小磯さんが「志摩市の名前を和具市に変えたらどうや?」と提案され、会場の笑いを誘う一場面もあり、パネルディスカッションは「和」やかな雰囲気で進みました。

180308sympo6.jpg

 そして、御食国という歴史がある志摩市でこうした持続可能な食材の生産が行われていることを、もっとメディアや料理を通して世界中に伝えていくことが大切だという意見が出されたほか、志摩市の食材の価値を認証する制度やその食材を消費者にきちんと届けるための仕組みを作ることの必要性などについて話し合われました。

 今回のシンポジウムでは、今後の志摩市の食をテーマとした取り組みの方向性を会場に集まられたみなさんと共有することが出来たと思います。今後も、「人と自然が持続可能な形で暮らし続けていくことのできる志摩市」を目指して、御食国の食をテーマとした具体的な取組をみんなで進めて行きましょう!

 最後に、シンポジウムの開催にご協力いただいた皆さん、会場にお越しいただいた皆さん本当にありがとうございました。