ぶりぼら第7回「的矢かきの秘密を知ろう」を開催しました

佐藤養殖場に行って、的矢かきが三重ブランドに認定されている理由を学ぶ。

的矢かきの美味しさの秘密を調査する。

志摩の自然の恵みを生かした特産品の魅力を多くの人に伝えることが出来るようにする。

 平成29年12月9日(土)、こんなテーマで、ぶりぼらメンバー10人が磯部町的矢の佐藤養殖場を訪れ、社長の佐藤文彦さんから的矢かきの養殖が始まった経緯や、かき養殖の作業の行程、美味しさの秘密について伺いました。まず案内されたのは、かきの身を殻から取り出す「かき打ち」作業をしている所でした。女性の方々が、ナイフで手早くかきの殻をこじ開ると、プルンとしたかき殻と変わらない大きさのかきの身が見えました。どれも大きく立派なかきで驚きました。

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 かきには、北方系と南方系があり、佐藤養殖場では北方系のかきを使っているそうです。また、かきの殻の長さ(殻長)が2に対して殻の幅が1の割合の形をしたものがちょうど良く、身もしっかり入っているそうです。殻つきのまま出荷される「セルかき」は、殻の形・サイズ・色・柄などにより選別されるため、1年間に500万個程度生産しますが、生産した牡蠣の3分の1の量しか販売できないそうです。残ったかきはむき身にして販売します。

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 次に的矢かきの安心安全の秘密となる『紫外線浄化法による』洗浄システムについて説明を受けました。社長さんの祖父にあたる佐藤忠勇(ただお)さんは、東北帝国大学(現在の北海道大学)水産学部を卒業されて北海道水産試験場に勤務されておりましたが、真珠養殖の研究をするために磯部町的矢に来られました。そこで真珠養殖の筏に付着して成長するかきに目を付け、かきを筏に吊るして養殖する方法を確立されました。

 そして昭和30年には、紫外線で滅菌した海水でかきを一定時間飼育し、かきの消化器官の内容物を排出させることで食あたりを防ぐ、「オゾン・紫外線併用殺菌海水装置」の特許を取得し、生でも安心して食べられる「無菌かき」を生産するようになりました。この浄化法のおかげで全国の有名なホテルや旅館でかきが生で食べられるようになり、「的矢かき」の名前で全国に出荷されるようになりました。かきの洗浄には大量の海水が必要で手間暇がかかりますが、安心安全に食べられるので、他のかきより値段が高く売れるそうです。また産地直送方式を採用し、市場を通すよりも新鮮で価格も安定して提供できるようにしました。

 的矢かきの生みの親である忠勇さんは、国から勲四等瑞宝章を受章し、磯部町からは名誉町民の称号が贈られ、的矢湾養蛎研究所前には、地元有志により銅像が建てられています。昭和59年に96歳で生涯を閉じられた時の町民葬は、小学生だった現在の社長さんも感動するような大勢の名士や町民に見送られた立派な葬儀だったそうです。

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 的矢湾には、神宮林の森を水源とする磯部川(神路川)、五知の森を水源とする野川、農地や宅地が多い池田川と3本の川から栄養分が流れ込み、たくさんの植物プランクトンが発生します。湾の構造上、供給された栄養分が湾外に流出しにくいこともあってかき養殖に適した環境であったそうですが、神路ダムが出来てから水量が減り、植物プランクトンも減ったりしてこれまでの環境が保てない状況になってきているそうです。

 豊かな森と海がつながってこそ、生まれてくる安心で安全な的矢かき。子供たちは、海の環境が私たちの生活にも大きく影響してきていることを知った様子でした。

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 帰り際に磯部町内にある志摩市歴史民俗資料館に展示されている佐藤忠勇さんの資料を見学しました。子供たちは、志摩市の偉大なかき養殖の功労者の生い立ちを興味深かそうに見ていました。

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