和具地区で市内で4か所目となる干潟の再生を開始しました

平成28年10月2日。志摩町和具地区で市内で4か所目となる干潟の再生が始まりました。

この場所は、志摩町和具地区と越賀地区の境にあり、国道260号線バイパスからも見下ろすことができます。

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この場所の特徴は、海から3つの堤防で仕切られているもののすでに海水が流入しており、海の生き物がたくさん住む汽水湖となっていることです。

ですが、一番奥側にある区域では、土のうを積み上げた堤によって海水の交換が少なくなっていることから、堤の内側に落ち葉などの有機物がたまりやすかったり、雨が降ると塩分濃度が低くなったりして、生き物にとって生息しづらい環境になっていることが想定されました。

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このため、堤の中央にある排水用の開口部を広げることで海水の交換を促進することで生き物の生息環境を改善し、干潟の機能を向上させることを計画しました。

作業には、市民の皆さんにも参加していただいて、積み上げた土のうの一部を撤去する形で行いました。

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30分ほどで約1.5メートルの開口部を5メートルに広げる作業は終了。これで海水の交換が良くなり、堤の内側が干上がる時間が長くなれば、干潟としての機能が向上することが期待できそうです。

また、作業終了後に、どんな生き物がいるのか調べてみると、堤の周囲にアサリが結構いることが分かりました。もしかすると、砂利を詰めた土のうがアサリの幼生にとって住みやすい環境を提供しているのかもしれません。今後アサリの数がどのように変化していくのか、調査していきたいと思います。また、堤の外側にはコアマモという海草が生えていることもわかりました。コアマモは多くの生き物にとって、産卵や子どもが育つ場となります。今回の作業後に、堤の内側の水域にもコアマモが増えれば良いなと思います。

その他にも、三重県レッドデータブックで絶滅危惧ⅠB類(近い将来における絶滅の危険性が高い種)に分類されているドロアワモチがたくさん住んでいることが確認できました。なんだかウミウシとナメクジの中間的な感じで、泥の上を這いまわっています。この生き物は三重県内では英虞湾でしか確認されておらず、国内の分布の東限(北限)だそうです。そんな貴重な生き物が普通に見られる志摩市の干潟をしっかりと守っていきたいですね。子どもたちが生き物について学ぶ場としても活用出来そうです。

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それから、この場所のもう一つの特徴は、これまで干潟を再生してきた場所とは異なり、個人が所有されている土地だということです。この場所を干潟として利用させていただくにあたり、地元の和具自治会に相談させていただいたところ、干潟再生の趣旨をご理解いただき、自治会役員の皆さんから積極的に土地の所有者の皆さんに協力をお願いしていただけました。おかげで土地所有者の皆さんから快く事業の実施に同意をいただくことができ、4か所目の干潟の再生が実施できました。また、周辺で真珠養殖をされている方や漁業協同組合の皆さんにもご理解をいただくことが出来ました。

事業の実施にご理解をいただいた土地所有者の皆さんと和具自治会の皆さん、作業に参加していただいた皆さん、本当にありがとうございました。これからも、干潟の再生事業の推進にご理解とご協力をお願いいたします。